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透析効率を上げる方法

2018/01/14
 
透析効率を上げる方法1
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近年、ダイアライザーの性能の向上、透析液の清浄化、新しい治療法などの登場で、昔よりはるかに良い透析を行えるようになりました。

 

しかし、透析の効率を上げるというのは今昔変わらず、いつになっても「課題」です。

 

患者さんも、できるだけ効率が良い透析を受けたいと思っているはずです。

 

透析にかかわる臨床工学技士(CE)として、透析効率を上げる方法を知ることは必須だと思います。

 

時に患者さんに説明をする時もあります。質問されることもあります。

 

 

 

 

 

しっかり知識として身に付けたいところです。

 

 

 

 

今回は透析効率を上げる方法とその理由、注意点など、紹介していきたいと思います。

 

 

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透析効率を上げる意義・必要性

 

透析効率を上げる意義・必要性について説明します。

 

①透析時間は限られている

ほぼ一日中透析ができる腹膜透析(PD)と比べて、血液透析は仮に週3回4時間とすると、

1週間で透析に充てる時間は合計3回×4時間=12時間しかありません。

1週間の総時間=7日×24時間=168時間と比べるとその差は明らかです。

割合だと僅か7%です。少ないですね。

この限られた12時間の透析時間を

15時間分相当の透析にしたり、20時間分の相当の透析ができるかどうかは透析効率にかかってます。

※15時間分・20時間分の相当の透析とはあくまでイメージの話です。ご了承ください。

 

②長期合併症の予防・予後の改善

効率が良いより良い透析ができると、長期合併症の予防・予後の改善のが期待できます。

これは海外や日本の研究でも明らかになっています。

長期合併症は以下のものがあります。

 

[代表的な長期合併症]

・透析アミロイドーシス

・CKD-MBD (慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常)

・RLS (レストレスレッグス症候群)  別名:むずむず脚症候群

・心不全、脳血管疾患

・感染症

 

 

効率を上げる考え方

 

方法に行く前に、効率を上げるうえで基本となる考え方を説明します。

 

透析量の指標など計算式を使う考え方もありますが、ややこしくなるのでここでは考えません。

 

ほぼすべての方法に当てはまるのではないか?と思います。

 

簡単です。

透析を上げる考え方は1文で表すと、ズバリ、

 

「血液と透析液をいかに多く触れさせるか」

 

です。

血液と透析液を多く触れさせることで透析の原理である「拡散」が効率よく行えるようにするということです。

イメージだけでもいいです。次に進みましょう。

 

効率を上げる方法

 

では、実際に効率を上げる方法について方法を説明します。

 

効率の上げ方は色々あると思いますが、大まかには以下の3つあります。

 

※今回は小分子物質(尿素窒素、クレアチニンなど)の効率について考えます。

 

 

①QB(血液流量)を上げる

 

血液ポンプの速度を上げる方法。

一番シンプルで簡単なことだが、

効率を上げる上で基本となり、更には超重要(だと思っている)。

 

[理由]

前述した効率を上げる考え方「血液と透析液を多く触れさせる」で「速さ」に対して注目した方法です。

血液と透析液は対向性(血液と透析液がそれぞれ向かい合って)で、

ダイアライザー内を流れています。

血液と透析液を多く触れさせるということは、単純に血液量か透析液量を増やせば、多く触れさせることができますよね。

患者さんの血液量を増やすのは、現実的に無理なので、、、。

血液の速さを上げて血液量を増やす(実際はポンプで回っているだけ)ってことになります。

 

例)

QB150ml/minとQB200ml/minにおいて

血液がダイアライザーを通過した量(総循環血液量=QB×時間)の比較

※透析時間4時間で除水なしの場合で考えます。単位に注意してください。

QB150ml/minの場合は

150ml/min×4時間×60min=36,000ml=3.6L

QB200ml/minの場合は

200ml/min×4時間×60min=48,000ml=4.8L

QB200の方がQB150より1.2Lも血液と透析液を多く触れさせることができますよね!

それだけ血液が透析によってきれいにできたってことになります。

 

[注意点]

・QB(血液流量)を上げるには、それに合った針の太さにしなければならない。

例えば針が17Gとか細いのに、QB300とか無理です。15G以上の太い針を使いましょう。

・シャントの種類、狭窄の有無などによってシャント流量が十分になければ、QB(血液流量)は上げられない。

シャント血管に流れているそもそものの血液流量以上のQBを設定することは、物理的に無理です。

血管にもあまり良くないとされています。シャントエコーでFV(フローボリューム)を確認しましょう。

 

 

②QD(透析液量)を上げる

 

コンソールと供給装置の画面の設定を変えて、透析液流量を上げます。

 

[理由]

血液流量と同じです。

血液と触れ合う透析液流量を上げることで「拡散」の効率を上げるのです。

 

[注意点]

設定画面をいじるだけで簡単に変えれちゃう簡単な方法ですが、かなり注意が必要です。

それはコンソールの稼働台数、供給装置の余力、RO装置のタンク容量に依存するということです。

 

例えば

QD500で透析を行う施設で、1日に10,000Lの透析液を使ってるとします。

供給装置とROタンクの余力はそれぞれ500Lくらいだとします。

この施設の透析液を作れる量はせいぜい10,500Lですね。

 

これをQD500をQD1,000にしました。単純に考えて、1日に必要な透析液は2倍で20,000Lです。

この施設の透析液を作れる量はせいぜい10,500Lで、はるかに超えてしまいます。

この場合どうなるかというと、

透析中に供給装置かRO装置から警報が鳴って、透析液が十分に供給されず、透析ができなくなる恐れがあります。

 

なので基本的にはQD(透析液量)の設定は変えないでください。

QDを変えるときはコンソールの稼働台数、供給装置の余力、RO装置のタンク容量を計算し、慎重に変えることをお勧めします。

 

ちなみに僕の施設では変えたことはありません。

機械室が2つありますが、患者さんも多いので結構ギリギリらしいです。

②の方法は頭の隅にでもしまっておいてもいいかもしれませんね。

 

 

③膜面積を上げる

 

ダイアライザーの面積が多きいものに変えるという方法です。

 

[理由]

血液と透析液を触れ合う場所(面積)を広げて、血液と透析液をより多く触れさせるようにする。

イメージとしては、、、

小さいぞうきん(手のひらサイズ)と大きいぞうきん(A4サイズくらい)で同じ床を掃除するとどっちが効率よく掃除できるか?という話です。

もちろん大きい(面積が大きい)ぞうきんですよね。

モップとかあればもっと効率よく掃除できますよね。

こんな感じに面積が大きいほど効率よく透析ができます。

 

[注意点]

・ある程度QBが確保できないと膜面積を上げても最大限に効率が上がらない。(諸説あり)

またぞうきんがけをイメージしてください。

いくら大きいぞうきんだとしても、だらだら、のろのろぞうきんがけしてちゃ、いつになっても床はきれいになりませんよね。

目安としてはQB250以下で膜面積2.1㎡まで、QB250以上で2.5㎡以上がいいと思います。

※あくまで目安です。

 

 

まとめ

 

・透析を上げる考え方は「血液と透析液をいかに多く触れさせるか」

・透析の効率を上げるには主に3つある

①QB(血液流量)を上げる

②QDを(透析液流量)を上げる

③膜面積を上げる 

            

効率を上げる時は、注意点を守り、血液データ、シャント機能などあらゆる視点から考え、慎重に行いましょう。

 

今回は透析の効率という点で小分子物質に着目しましたが、

大分子物質については透析効率を上げる方法 (大分子物質)(内部リンク)を見てください。

 

 

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