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透析で使用する薬剤まとめ

2018/01/05
 
透析で使用する薬剤まとめ
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 どうもさぼです。

 

 

透析患者さんは、透析だけすればいいのではなく、様々な内服薬、注射薬を使っています。

透析を導入する段階で、糖尿病性腎症の場合、高血圧や心疾患も合併している患者さんはかなり多いので、定期内服薬は多い傾向にあります。

 

一般の方は知らないと思いますが、

「臨床工学技士は透析中血液回路からの薬剤の投与ができる」と法律、業務指針で定められており、

薬剤に関わる知識は必須です。

医療を提供する側は必ず、説明責任があります。

 

注射については患者さんもよく質問してきます。

今回は透析中に使用する薬剤をまとめました。

 

患者さんには、この記事を読んで、

自分が使っている注射がどんなのかを知ることができればいいと思います。

 

 

薬剤の知識は以下のようにまとめると、覚えやすいと思います。

これをもとに説明していきます。

 

一般名(薬物名)

商品名(販売名)

効果、特徴

適応

☆投与上の注意点

 

 

※僕は薬の専門家ではありません。

詳しいことは、医師・薬剤師に相談するか、薬の辞典、薬を販売している製薬会社のHPなどを参照してください。

 

 

 

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貧血治療薬

 

腎不全になると、エリスロポエチン(EPO)がうまく産生できなくなり、赤血球の産生量が低下し、貧血になります。

また、透析をすることでも、透析膜や血液回路と血液が接触することでも血球成分は破壊されるので、

透析患者さんはほとんどと言っていいほど、貧血であると言えます。

 

 

 

エリスロポエチン製剤

 

腎臓で作られるエリスロポエチンとほぼ同じと考えてよい。

 

一般名(薬物名)

エポエチンアルファ

商品名(販売名)

エスポー®

効果、特徴

とくに後期赤芽球系前駆細胞のCFU-Eに選択的にはたらき、成熟赤血球への分化・誘導を促すという特異性の高い薬剤。

適応

透析施行中の腎性貧血

 

 

一般名(薬物名)

ダルべポエチンアルファ 

商品名(販売名)

ネスプ®

効果、特徴

ヒトエリスロポエチンに新たにN-結合型糖鎖を2本付加することで誕生した新しい赤血球造血刺激因子製剤(ESA)。エポエチンアルファに比べて効果が持続する

適応

腎性貧血

 

 

鉄剤

 

赤血球を作るには「鉄剤」という材料が必要不可欠です。

透析患者さんは食事制限などにより、相対的に鉄分の摂取も少なくなってしまいます。

食事で十分に摂取できない分、注射で鉄剤を補います。

 

一般名(薬物名)

含糖酸化鉄

商品名(販売名)

フェジン

効果、特徴

経口鉄剤の投与が困難または不適当な場合に使用。

迅速で確実な治療効果が得られ、貯蔵鉄およびHb合成への利用率が高いことが特徴。

適応

鉄欠乏性貧血

☆投与上の注意点

希釈によりコロイドが不安定となって鉄イオンが遊離し、発熱、悪心、嘔吐などを生じる場合がある。

注意点として、2分以上かけて徐々に静注。と記載されています。

初回投与は上記の症状が出ないか、特に注意深く観察が必要です。

 

 

活性型ビタミンD製剤

 

活性型ビタミンDの主な作用は腸管からのカルシウム(Ca)の吸収を促すことです。

腎不全になると活性型ビタミンDという物質も産生しづらくなり、Ca吸収がしづらくなることにより、低Ca血症となり、骨が脆くなってしまいます(骨粗鬆症)

また、低Ca血症になると、血中Ca濃度を上げようと、副甲状腺からPTHというホルモンが出過剰に分泌してしまいます。

なので、活性型ビタミンD製剤は間接的にPTHの上昇を抑えることができます

 

これらを防ぐために、活性型ビタミンDを投与して補おうというわけです。

ほとんどの透析患者さんが投与しているイメージです。

 

一般名(薬物名)

マキサカルシトール

商品名(販売名)

オキサロール®

効果、特徴

ビタミンD誘導体。腸管からのCa吸収を促進するが、同時にPも吸収される。

カルシトリオール静注と比べて半減期が短く、副甲状腺に速やかに移行して効果を発揮する。

同時に石灰化のリスクとなる長時間のCa負荷を回避することで、異所性石灰化が少なく、Pへの影響が少ない。

骨代謝マーカー低下作用があり、二次性副甲状腺機能亢進症からくる高回転骨の改善効果が期待できる。

適応

維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

☆投与上の注意点

高Ca血症に注意する。

 

備考

高回転骨とは、骨吸収が進んだ(亢進した)状態のことを言います。

 

 

一般名(薬物名)

カルシトリオール

商品名(販売名)

ロカルトロール®

効果、特徴

経口薬。活性型ビタミンDそのもの。肝臓と腎臓の両方が悪い場合でも使用可能。

適応

慢性腎不全

☆投与上の注意点

透析後飲み忘れに注意する。

 

活性型ビタミンD製剤については、

TAKAさんのブログ(臨床工学技士TAKAの本音)の

活性化ビタミンD(誘導体)製剤「ロカルトロール、オキサロール」とは

に詳しく、分かりやすく載ってあるので、是非ご覧になってください。

 

 

心不全治療薬

 

心不全治療薬と書いてありますが、リズミックは血圧低下予防の薬です。

 

一般名(薬物名)

アメジニウムメチル硫酸塩

商品名(販売名)

リズミック

効果、特徴

間接的な交感神経刺激薬、交感神経内MAO阻害作用、交感神経内より放出されたノルアドレナリン再取り込み抑制作業

適応

①本態性低血圧、起立性低血圧②透析施行時の血圧低下改善

☆投与上の注意点

透析前飲み忘れに注意する。

血圧が上がりすぎの場合は中止する場合もある。

 

 

カルニチン製剤

 

皆さん「エルカルチン」という注射見たことありますか?

最近(?)使っている患者さんがちょくちょく見られてきました。

エルカルチンはカルニチン製剤として2013年に大塚製薬から発売されました。

 

まずカルニチンとは

カルニチン(carnitine)は、生体の脂質代謝に関与するビタミン様物質で、アミノ酸から生合成される誘導体である。

引用 Wikipediaより

 

詳しくは分かりませんが、アミノ酸というのは確かみたいです。

脂肪燃焼に役立つアミノ酸ということでサプリメントとしてダイエットにも効果的というサイトもありました。

 

カルニチンは主に肝臓や腎臓で合成されていて、腎不全の透析患者さんなどで欠乏状態になる場合が多いとされています。

分子量的にも透析によって少なからず除去されると思います。

よって透析患者さんはカルニチン欠乏症であることが多い。

 

身体の中でも合成できますが、食物などからでも摂取できます。

カルニチンが多く含まれる食べ物は牛肉、魚介類などです。

経口摂取もいいと思いますが、代謝されてから合成されるまで時間がかかるので、

効率的に摂取できるのは、やはり静脈注射ということになります。

 

一般名(薬物名)

レボカルニチン

商品名(販売名)

エルカルチン

効果、特徴

フリー体のレボカルニチン製剤。レボカルニチンは、長鎖脂肪酸の代謝等に重要な役割を果たすビタミン様物質で、食事からの摂取と生体内の生合成により供給されている。

効果は色々ありますが、透析患者さんに嬉しいのは下肢つり予防効果だと思います。

適応

カルニチン欠乏症

 

【参考サイト】

①カルニチンについてもTAKAさんのブログ

透析患者のカルニチンの効果は?エルカルチンの効果を紹介します。

②くすりの勉強 -薬剤師のブログ- こむら返りにエルカルチン?

にも詳しく載っているので是非。

 

 

抗掻痒薬

 

掻痒症とは、痒み(かゆみ)のことを指します。

透析患者さんは痒みを訴える人が多いです。

これは大分子物質の尿毒素の蓄積によって起こるとされています。

 

薬もいいですが、薬はできるだけ少ない方が身体にいいです。

透析CEとしては大分子尿毒素を効率良く除去して改善を狙いたいものです。

 

その方法については、過去記事の「透析効率を上げる方法 (大分子物質)

または、痒みに効果的なダイアライザーについて 痒みにオススメ「PMMA膜」

を参照してください。

 

詳しい適応は分かりませんが、特に痒みの症状が強い人に投与されているのではないかと思います。

 

 

一般名(薬物名)

グリチルリチン製剤

商品名(販売名)

ヒシファーゲン

効果、特徴

抗炎症・免疫調節・肝細胞増殖促進作用

適応

湿疹、皮膚炎、蕁麻疹、皮膚掻痒症

☆投与上の注意点

できるだけ緩徐に投与。

 

 

 

 

 

今回はこの記事自体がまとめなので、まとめはなしです。

 

 

ざっと使用頻度が高いものをまとめました。

病院によっては製薬会社が違って、商品名が違ったり、若干作用が違うものもあるかもしれません。

 

 

最近になっては「パーサビブ」などの新しい薬もどんどん使われてきてます。

新しい薬が使われるようになったら、その都度効果・作用・注意点などを勉強していきましょう。

 

 

 

 

参考文献

1)浦部昌夫他.今日の治療薬(2016年版).南江堂.2016

2)平田純生他.透析患者のくすりカラー大事典.透析ケア2015年冬季増刊.メディカ出版.

 

 

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