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内部濾過促進型ダイアライザーとは?原理を簡単に説明

2018/01/23
 
内部濾過促進型ダイアライザーとは?原理を簡単に説明
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どうもさぼです。

 

 

今回はTwitterでのやりとりで少し話題になった。

 

 

「内部濾過促進型ダイアライザー」についてです。

 

 

テキストを探してもなかなか載ってないですよね。

少し古い透析雑誌にいい図と解説があったのでまとめました。

 

 

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内部濾過とは

 

まず内部濾過の説明です。

 

その名の通り、ダイアライザー内部で起こっている濾過のことをいいます。

 

 

言葉で説明しても難しくなってしまうので、参考文献にいい図がありました。

 

 

<引用・一部改変>

ダイアライザー内における圧力分布

図.ダイアライザー内における圧力分布

 

図を見ながら、説明を読み進めると分かると思います。

 

濾過の原動力は”圧力差”であるので、圧力が高い方から低い方へと濾過が進みます。

 

図にある通り、ダイアライザー内部では正濾過と逆濾過の2つの内部濾過が起こっています。

順をおっていくと

1.血液入口では(圧力をPとすると)血液P>透析液Pなので、

血液側から透析液側に”正濾過“が進みます。

つまり、血液側からダイアライザーを通して、透析液側に水分と物質が移動する。

これが”正濾過“です。

2.一方、ダイアライザーの構造上・血液と透析液の流れの関係上

血液出口では、透析液P>血液Pなので、透析液側から血液側に”逆濾過“が進みます。

つまり、透析液側からダイアライザーを通して、血液側に透析液が移動する。

これが”逆濾過“です。

 

 

Q:血液Pと透析Pの最初の高さでなぜ透析Pの方が低い位置なのか?

A:血液Pと透析Pの差がTMPなので、おそらく除水によるものだと考えられます。

 

 

 

ここで1つ懸念することがあります。

血液側から水分・物質の移動は透析効率的に良いことけど、透析液が血液に入るって大丈夫?

 

患者さんは気になる方も多いはず。

 

 

答えは、オンラインHDFの水質基準を満たしている施設であればなんら問題はない。です。

 

オンラインHDFも一時的に体内に透析液が入るので、

その水質基準を満たしていれば、体内に入ってもいいくらい安全が保障されているわけです。

 

文献を引用させていただくと

透析膜の透水性が高まるにつれて、透析性能に及ぼす内部濾過の影響が増大し、透析液から血液へのエンドトキシン混入が危惧される。しかし、近年では透析液の清浄化を前提にこの内部濾過を意識的に促進させ、血液透析濾過(HDF)に近い溶質除去性能を発揮する内部濾過促進型透析が注目されている。

 

 

この文献は2010年のものなので、

当時と比べると、今の透析施設の水質の清浄化はかなりいいものだと思います。

 

 

気になる方は施設の臨床工学技士に聞いてみてください。

 

 

メリット・デメリットは?

 

原理は分かった、それでメリット・デメリットは?となると思います。

 

文献がなんせ少ないので簡単に挙げます。

 

メリット

 

・HDFのような溶質除去性能があり、透析効率アップに繋がる

先程の引用の最後あたりにもあるように、

内部濾過はダイアライザー内部での濾過ですので、

HDFのようなことをしているのです。

しかし、残念ながらオンラインHDFには効率的に負けます。

 

デメリット

 

・オンラインHDFができる水質基準を満たす必要がある

これはデメリットというか条件みたいなものです。

まずはしっかりと水質基準を満たしましょう。

 

 

内部濾過促進型ダイアライザーってどれ?

 

 

期待させたら申し訳ないのですが、

内部濾過促進型ダイアライザーはこれだ!という基準がないので、厳密には分かりません。

 

ただ、現行のダイアライザーで高性能ダイアライザーと呼ばれているものは、

大体「内部濾過促進型ダイアライザー」であると考えられます。

 

<2018.1.23追記>

機能分類でいうと

旧分類だとⅣ、Ⅴ型

新分類に置き換えるとⅠ型の一部とⅡ型が内部濾過促進型ダイアライザーに該当すると言われています。

 

 

機能分類については↓の過去記事を参照してください。

透析膜の正しい名称・機能分類

 

 

 

 

 

今回は以上となります。

 

 

 

 

 

内部濾過促進型ダイアライザーとはダイアライザーの種類ではなく、

「構造上のつくり」程度に理解してもらっていいかもしれません。

 

 

 

 

 

引用・参考文献

山本健一郎他.[特集]臨血液透析効率の評価法について再考する.臨床透析.vol26.No4.日本メディカルセンター.2010

 

 

 

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