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透析におけるシャントトラブル・シャント合併症の種類

2018/02/14
 
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どうもさぼです。

 

 

 

シャントトラブルというのは透析をしていると少なくありません。

 

 

シャントエコーを積極的に行っている当院では、

シャントトラブルをいち早く発見し、必要であれば治療に繋げたり、悪化防止に努めています。

 

 

 

今回はシャントトラブルの種類を簡単に説明します。

 

 

シャントトラブルを発見するには「シャントエコー」が簡単で侵襲なくできるスクリーニングです。

 

以下の記事の目的・必要性にシャントトラブル(シャント血管の合併症)の早期発見というのがあります。

 

透析におけるシャントエコーとは?簡単に説明してみた。

 

こちらの記事も是非読んでください。

 

 

 

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シャントトラブル・シャント合併所の種類

 

 

狭窄

 

狭窄とは、簡単にいうと血管が狭くなることです。

 

血管径が何mm以下から狭窄という明確の定義はなく、

一般的には2.0mm以下を狭窄と呼ぶことが多いです。

 

2.0mm以下でも狭窄部位によっては、透析に問題ないこともあります。

 

シャントトラブルで1番多いのが「狭窄」であり、

ほかのシャントトラブルは「狭窄」が原因でおこるものも多いです。

よって、狭窄を未然に防ぐことがあらゆるシャントトラブルの予防に繋がるということが言えます。

 

また、シャントトラブルの中でも1番多い「狭窄」の1番の原因は「穿刺によるもの」と言われています。

なので、穿刺部位は同一部位はできるだけ避け、同一部位を刺すときもできるだけずらすというのが大事になってきます。

 

 

閉塞

 

閉塞とは、シャント血管がつまってしまい、場合によっては血液の流れが止まってしまうことをいいます。

 

基本的に狭窄→閉塞のパターンが多いです。

 

患者さんにとっても、医療スタッフにとっても「閉塞」は起こしたくないものです。

 

血栓性閉塞になると、PTAできない場合があり、血栓が残ったり、

最悪の場合シャント再建になってしまう恐れがあります。

 

なので医療スタッフは狭窄を速やかに発見し、治療に繋げたい。

そのためのシャントエコーとなります。

 

 

感染

 

感染はその名の通りシャント血管がなんらかの病原体に感染してしまうことです。

 

原因は医療スタッフの不潔操作や患者さんの衛生管理不足などがあるが、原因の特定ははっきり言って難しいです。

 

VAの感染は、場合によっては敗血症になり、生命に関わる状態になるので、患者さんを含め、透析スタッフは特に注意を払うべきです。

 

 

 

 

 

瘤とは、狭窄または頻回穿刺などによって血管が球状に膨らんだ状態です。

 

瘤には大きく分けて仮性瘤・真性瘤があります。

種類の判別は簡単なので是非。

仮性瘤・・・血管壁を有する

真性瘤・・・血管壁を有しない

 

瘤で大切なのは「瘤がこれ以上大きくなるか」です。

 

瘤が大きくなり、青みがかかったり、光沢が出てきた場合は瘤の破裂の危険性があります

なので、瘤がある人に対しては日頃の視診を注意して行うのと、定期的に瘤の大きさを計測するなどが必要です。

シャントエコーでは横径、縦径だけでなく、壁厚(血管壁の厚み)も計測することが大事です。

 

また、瘤がある場合は瘤の中枢に「狭窄」がある場合が多いです。

シャントエコーを取る場合は瘤の大きさ+狭窄の有無も注意してみるべきです。

 

 

静脈高血圧症

 

静脈高血圧症とは

シャント静脈の中枢側に狭窄や閉塞があり、血流が鬱滞し、末梢の静脈圧が慢性的に亢進した状態をさす。

引用:公益社団法人 日本臨床工学技士会.臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針 初版.2016.4.45

簡単にいうと

シャント血管の上部(中枢側)が細くなる、またはつまることによって、そこから下に血液がたまって腫れたり、むくんだりしてしまうことです。

 

特徴的な症状としては浮腫腫脹があります。

 

これもシャント肢中枢の「狭窄」が原因となって、狭窄部から末梢が浮腫・腫脹して発見されることがあります。

 

一方で、後述する過剰血流のときは、明らかな狭窄がない場合でも浮腫・腫脹があり、静脈高血圧症である場合もあります。

 

 

血液のうっ滞が手首より末梢の場合をソアサム症候群、手首より中枢側まで至る場合を静脈高血圧症といいます。

 

静脈高血圧症の中の1つの病態にソアサム症候群があるわけです。

 

この2つを、勘違いして全く別物と覚えている人がたまにいるので、注意しましょう。

 

 

 

 

 

スチール症候群(盗血症候群)

 

スチール症候群とは

 

末梢組織へ向かうはずの動脈血流がシャント静脈側へ盗血されることによって、末梢虚血症状が起こる状態

引用:公益社団法人 日本臨床工学技士会.臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針 初版.2016.4.46

 

簡単にいうと

血流の流れが良すぎて、手とか指に行くはずの血液がとられる(本来いくはずの血液が盗まれる)状態です。

 

症状として冷感・疼痛・しびれなどがあります。

 

☆静脈高血圧症が血液の「うっ滞」であるのに対して、スチール症候群は「虚血」です。

 

全く逆とは言い難いけど、静脈高血圧症とスチール症候群はほとんど逆の関係であることが分かります。

 

よって、スチールとソアサムは同じカタカナだけど、病態が全然違うということに注意して覚えましょう。

 

 

過剰血流(過大シャント)

 

過剰血流とは

シャント静脈への過血流により、シャント血管が増大して発症する病態である。

引用:公益社団法人 日本臨床工学技士会.臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針 初版.2016.4.46

 

簡単にいうと、シャント血流が多い状態です。

血流量は1000~1500ml/min以上が目安となっています。

そして、過剰血流は「血流量/心拍出量」が20%以上で心不全が生じる恐れがあるとも言われています。

 

過剰血流の疑いのある人は、シャントエコーで上腕血流量(FV)を測定して定期的に評価します。

 

更にFVだけでなく、心不全症状(息切れ・動悸など)の確認することが大事です。

 

FVが1500mL/min以上の人でも心不全症状がない人もいたり、FV1000mL/min以下の場合でも心不全症状が出る人もいるからです。

 

過剰血流は、上述した静脈高血圧症やスチール症候群の原因にもなりうるので、

過剰血流の評価をする場合は、そのほかのシャント合併症がないかも注意してみる必要があります。

 

 

 

 

 

今回はまとめ記事なのでまとめはなしです。

 

 

 

 

 

 

シャントエコーをとるうえで、シャント合併症の知識は必須です。

各合併症の評価や鑑別法もしっかり勉強して実践して、シャント合併症の早期発見・早期治療に繋げましょう。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

・公益社団法人 日本臨床工学技士会.臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針 初版.2016

 

 

 

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