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透水性の指標Lp・UFRPとは?違いを分かりやすく説明

2018/12/12
 
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どうもさぼ(@ce_sabo)です。

 

久しぶりのブログの更新です。

 

今回は分かりそうで分からない透水性の指標のLp・UFRPについて説明していきたいと思います。

 

教科書的なところはもちろん、最後に「こういうイメージか!」みたいなオチも付けたので、是非最後までご覧ください。

 

現場で働いている臨床工学技士はもちろん臨床工学技士を目指す学生にも知っておいて欲しい知識です。

ダイアライザーやヘモダイアフィルターの選定においては必須の知識なので是非理解しましょう。

 

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透水性とは

 

「透水性の定義は?」と聞かれてしっかり答えれる人少ないと思います。

それはなぜかというと血液浄化において「透水性とはなんぞや?」としっかりと定義している文献が少ないためと考えられます。

血液浄化の基礎的なことが書いてあるだろう参考文献1)~3)を探してみましたが、明確な定義というのは書かれていませんでした。

 

そこで透水をググってみると、

水がしみとおること。「透水性」

引用:透水(とうすい)の意味 – goo国語辞書

と記載されているだけでした。

 

もう少し調べると透水性という語句は土や土壌について用いられるみたいですね。

 

なので今回は血液浄化療法における透水性というものを自分なりに定義し、

透水性は「膜における水の通りやすさ・程度」であるとします。

注意
明確な定義が見つかり次第更新します。

 

 

ここでは透水性とはとりあえず「水の通りやすさ」を表すんだなぁで覚えておけばおっけーです。

イメージ的には、水が通りやすい≒除水しやすい≒濾過しやすいでいいかと思います。

 

その透水性を表す指標にLpやUFRPがあります。

 

 

Lp(濾過係数)とは

 

Lp(hydraulic permeability)は先程述べた通り透水性の指標の一つです。

 

測定方法は

通常、透析液を停止もしくは排液し、所定の圧力を一定時間かけ、その濾液量を計算するECUM法によって測定する.

引用:透析療法合同専門委員会.血液浄化ハンドブック[2018].協同医書出版社.2018.33

となっています。

 

式はいったん省きますが、

Lpは膜面積で除した標準化した透水性(水の通りやすさ)を示す指標です。

 

 

UFRP(限外濾過率)とは

 

UFRPとは日本語で「限外濾過率」という意味です。

 

注意
文献やサイトによっては限外濾過率のことをUFR・UFRPと記載していますが、当サイトではUFRPと表記します。また、除水速度のことをUFRと表記しているものもありますが、限外濾過率と除水速度は別物なので区別してください。

 

ちなみに日本透析医学会から出している「日本透析医学会透析医学用語集」では、

ultrafiltration coefficient <UFRP,Kf>   限外濾過率

ultrafiltration rate <UFR>            除水速度

引用:日本透析医学会透析医学用語集

と記載されています。

 

結論からいうと、UFRP(限外濾過率)は膜面積を加味された透水性(水の通りやすさ)を表します。

Lpとの違いはこの『膜面積を加味された』というのがポイントです。

 

 

LpとUFRPの違いは?

 

UFRPもLpも計算式から求められる指標なので式なしでは説明ができません。

掛け算・割り算でできる式なのでそれほど難しくはありませんので、見ていきましょう。

 

 

Lpの式

 

まずはLpの式です。

 

 

変数は4つで単位は[mL/(hr・㎡・mmHg)]です。

 

各用語の説明は以下になります。

 

Vf:時間Tfに得られた濾液量[mL]

Tf:濾過時間[hr]

TMP:膜間圧力差

A:膜面積[㎡]

 

このように膜のLpは、先ほど引用した測定法で、Aの大きさの膜面積のフィルターで、Tfの時間で、TMPの圧をかけ、Tf分の濾液量が得られるとLpを求めることができます。

 

Lpは式から分かるように、分母に膜面積がある(膜面積で除している)ため、一般化された膜そのものの透水性ということが分かります。

 

 

UFRPの式

 

続いてUFRPの式です。

 

 

変数は3つで、単位は[mL/(hr・mmHg)]です。

 

Vf:時間Tfに得られた濾液量[mL]

Tf:濾過時間[hr]

TMP:膜間圧力差

A:膜面積[㎡]

 

式から分かるように、UFRPはLpに膜面積をかけたものとなります。

膜面積をかけることで膜面積分の透水性(水の通りやすさ)を反映したのがUFRPです。

したがって、膜面積を加味したいうのは、膜面積をかけてその分の透水性を表しているということとなります。

 

加えて、膜面積は-(マイナス)ではないので、膜面積が大きいほどUFRP(水の通りやすさ)は大きくなり、膜面積が小さい程UFRPは小さくなることが分かります。

これは除水や濾過は膜を通して行われるということを考えればイメージしやすいかと思います。

 

 

フィルターのカタログなどで使われているのは『UFRP』

 

小ネタです。

メーカーなどのカタログの性能欄にはLpではなくUFRPを記載しているのがほとんどです。

膜面積ごとにラインナップがあるので、UFRPが使いやすいためかと思います。

ちなみにメーカーのUFRPは『UFR』と記載されていることが多いです。

これはなぜだか分かりません。

 

UFRPの個人的解釈

 

※個人的解釈です。

 

 

 

UFRPの式をVfについて解くとこのような式になります。

これからあるUFRPのフィルターで、Tfの時間、TMPをかけるとVfの水(除水量)が得られるということが分かります。

 

これは聞いた話で確証はないのですが、除水コントローラがなかった時代の透析装置ではUFRPの式から計算で除水量を調整していたとか。

 

今ではコンソールのタッチパネルに総除水量と除水時間を入力すると除水速度が計算され、除水コントローラで勝手に除水制御してくれるので、知らない方も多かったのではないでしょうか。

 

 

おわりに

 

UFRPは透水性の重要な指標です。

なぜなら透水性はオンラインHDFなど大量濾過する治療法のTMPに関わってくるからです。

TMPを決める要因にUFRPがあるということです。

こちらの記事も是非一読ください。

 

オンラインHDFにおけるTMPが上がる原因とは?

 

 

今回は以上です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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[引用・参考文献]

1)透析療法合同専門委員会.血液浄化ハンドブック[2018].協同医書出版社.2018.33-35

2)小野哲章他.臨床工学技士標準テキスト(第2版増補).金原出版.2014.358

3)秋葉隆,峰島三千男.CE技術シリーズ 血液浄化療法.南江堂.2009.22-23

 

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