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I-HDFとは?I-HDFの原理・効果

2018/08/02
 
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どうもさぼです。

 

突然ですが皆さんI-HDFって知っていますか?

 

あとで詳しく説明しますが、

I-HDFはオンラインHDFの一法として認められ、

オンラインHDF普及に伴い、ここ数年で少しずつ増えてきた治療法です。

 

今回はI-HDFとはいったいなんなの?ということを中心に基礎編として記事にしました。

 

 

それではいってみましょう。

 

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I-HDFとは?

 

I-HDF はの正式名称は

Intermittent Infusion Hemodiafiltration:間歇補充型血液透析濾過

といいます。

 

簡単にいいますと、

一定の間隔ごと(間歇的に)に補液をする血液透析濾過

です。

 

通常のオンラインHDFは前希釈・後希釈といいますが、

I-HDFは「補液」が大きな特徴といえるHDFです。

 

 

治療法の位置づけは、オンラインHDFの一法として認められています。

 

日本透析医学会.血液浄化器(中空糸型)に機能分類2013」の5Pに詳しく記載されているのでそちらもご覧ください。

 

 

動作原理(逆濾過の場合)

 

※逆濾過の場合の説明をします。

引用:間歇補充型血液透析濾過とは?.JMS配布資料より

 

補足説明をすると、左の図「補充時」のときにまさに「逆濾過」をしています。

濾過の逆の動きをするので「逆濾過」と言います。

 

これはJMSのコンソールの説明だと思いますが、

このとき除水ポンプが逆回転して、

透析液側から血液側に「逆濾過」していることが分かります。

 

一方で、I-HDFは間歇的に補液するHDFと説明しましたが、補液をしていない時間は、補液した分(または補液をする予定の分)を濾過をして、水分をひいています。

 

逆濾過で補液しっぱなしだと、治療が終了したら、体内に水分が残ってしまいますよね。

 

右側の「補十分回収時」がまさに補液分の水分をひくときの動作でこれを「正濾過」と言います。

正濾過は、除水やHFの原理と同じ「限外濾過」と同じに考えてもいいです。

 

 

正濾過・逆濾過は高性能ダイアライザーの内部でも起こっています。

こちらの記事で正濾過・逆濾過について図を用いて説明しているので、こちらもご覧ください。

内部濾過促進型ダイアライザーとは?原理を簡単に説明

 

 

補液と回収の関係

 

原理を理解したら、実際の動きをみていきましょう。

 

久しぶりの自作図!

 

 

 

前述したようにI-HDFは、補液した分を補液していない時間に回収します。

 

つまり、補液量(青色の面積)と回収量(赤色の面積)が同じになります。

 

しかし、この図では補液と回収のパターンを模式的に表した「除水がない場合」のものです。

 

 

実際のパターンの設定では、メーカーにもよりますが、

補液量・補液速度・補液回数(補液間隔)・回収速度などを設定できます

 

その他、

頻回少量パターン、緩徐回収パターンなどいろいろな検討がありますが、

患者さんに適した補液量・補液パターンを探すのがCEの腕の見せ所といえますね。

 

 

効果

 

補液・逆濾過などの原理は知っても、果たしてどんな効果があるのかが知りたいのではないでしょうか?

 

現段階で確認されているものは3つ

 

①末梢循環改善

⇒末梢循環が改善されると、末梢組織間での尿毒素などの物質交換が促進される。

 

②plasma refiling促進

⇒plasma refilingを促進する(末梢循環改善に起因)ことで、

血圧低下抑制効果が期待できる(個人差有り)

 

更にいうと、

血圧低下抑制効果によって、

昇圧剤、10%NaCl、下肢挙上などの血圧低下時の処置回数を低減することが期待されますね。

 

 

③膜性能の経時減少抑制

中~大分子物質の除去量上昇が期待できる

 

 

 

注意

詳細なメカニズムや効果については未だに解明されているものが少ないのが現状で、効果にも個人差があると言われています。

 

 

診療報酬適応・施行条件

 

実際にやるとなると必要なのが条件です。

東レさんの資料から引用です。

 

以下の3条件を満たせば、慢性維持透析濾過(複雑なもの)として請求することができる。

1.フィルタは、血液透析濾過器を使用する

2.オンラインHDFの承認を受けた多用途透析装置を使用する

3.オンライン補充液の水質基準に適合している

引用:峰島三千男.オンラインI-HDF(間歇補充型血液透析濾過)の有用性.東レ配布資料

 

このように、I-HDFもオンラインHDFの1法なので、

オンラインHDFをやっている施設であれば、条件はほぼクリアできることが分かります。

 

 

 

適応

 

色々文献を探してみましたが、現時点えは以下の通りとなっております。

 

注意
絶対的適応などは今のところありません。

 

①低栄養

②高齢者

③血圧変動幅が大きい患者

④末梢動脈疾患(PAD)

 

 

 

 

 

 

 

今回はI-HDFとは?とはなにかという原理などを中心に基礎的なものを書きました。

 

 

I-HDFは今後どんどん研究されるので、更に勉強していきたいと思います。

 

 

 

[参考文献]

1)日本透析医学会.血液浄化器(中空糸型)に機能分類2013

2)間歇補充型血液透析濾過とは?.JMS配布資料

3)峰島三千男.オンラインI-HDF(間歇補充型血液透析濾過)の有用性.東レ配布資料

4)久保司他.逆濾過透析液を用いた間歇補充型HDF(intermittent infusion HDF)の長期臨床評価.臨床透析Vol.31 No.11.2015

5)江口圭,峰島三千男.間歇補充型HDF(I-HDF)の有効性.オンラインHDF-展開と課題.

臨牀透析 Vol.33 No.5.2017.93

 

 

 

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